LILLIPUTの独り言 「千一夜一夜」

更新日2001年2月13日
2002年4月26日修正

 

サイと極道の組み方−1

 

こんにちはこんばんわLILLIPUTです。

蓮井さんの千夜一夜は凄い。非常に面白かった。
小生も2−3は知っていたり持っているが、システム特にメモリーデックは覚えたいとは思わない。
(Paul Foxはメモリーデックではないんだっけ?よくわからん。)
そして、サイ・ステビンスシステムでさえもまず使わない。ところが、使わないでいると使った手品にコロっとひっかかるのである。



それはさておき、小生が一番最初にサイ・ステビンスを知ったのはいつであろうかと考えると多分、100万人のトランプ手品*1)を読んだ時ではないかと思われる。
それでは極道親父は?と言うとこれが分からないのである。いつの間にか常識と言うか知識として頭に残っている。皆さんは如何であろうか?

さてさて、皆さんはサイ・ステビンスシステムを組む時にはどうやって組むだろうか?シャフルされたデックから組む時に、勿論トップから1枚ずつ抜いてゆく方法はあるだろう。しかし、ちと慣れた人は、こうするだろう・・・・。
即ち、まずデックをスート毎に4つのパケットに分けて、それぞれA〜Kに並べ、左端のパケットのボトム(表向きの一番上)がダイヤのA、次のパケットがクラブの4、次のパケットがハートの7、そして次がスペードのJとそれぞれなるように3枚ずつパケットをずらして並べ、後はダ・ク・ハ・スの順に1枚つ取ってゆく事で、サイ・ステビンスシステムのデックが出来上がる。これは簡単である。

では、極道親父はどう並べるか?
ってのが今回のお話の第一。・・・

とりあえず、御存知の事と思うが、極道親父のセットを再掲。

ゴ ク ドウ 親父 兵隊 ニ シ ロ   奥様 ヒト ナ ヤ ミ

5、9、 10、 K、  J、 2,4、6、 Q、  A、 7、8、3

等差数列ではないので、サイのように4組並べても上手くゆきません。

そこで・・・・・・・・少し考えてみて欲しい。

 

 

 

 

 

結論。

まずスート毎に4つのパケットに分ける。

次に4種類とも表向きのまままずAをテーブルに置き、その上に次のように並べてゆく。

A、2、9、7、4、10、8、6、K、3、Q、J、5

これを

ひと切れの肉  もなしとは、むかいざけ、キューとジョッキで5杯。

A   29   74108 6K 3  Q   J    5

と覚える。

そしてサイの時のようにそれぞれのパケットのボトム(表向きの一番上)がダイヤを5、クラブを9、ハートを10、スペードをKとなるようにカットして並べて、その後ダクハスの順で1枚ずつ取ってゆくと、極道親父のセットが出来上がるのである。

これは、昭和31年1956年初版(と思われる)安部元章師の『トランプ手品』虹有社刊(*2)にある解説である。
どうもその文章を読む限り、”一切れの肉”の語呂合わせは安部師の作のようである。
この解説の口調はその後そのまま、1963年初版の日東書院の石原清彦氏著『トランプ・手品』(*3)に引き継がれており、まるで石原氏が作ったかの様に書かれている。 また1971年の集文館の小林美登利氏著『トランプ手品と占い』(*4)にも同様の解説があるただしここでは石原氏のようにそのままの引用ではないので著者が創案したようにはかかれてはいない。この本が1991年にも出版されているが内容は全く同様であり、ごくどうおやじやひと切れの肉が解説されている。

お分かりだと思うがセットの為に語呂合わせするだけであれば、むしろ、『一切れの肉のセット』としても構わないのであるが、そうではなかった。わざわざ極道親父のセットを組む為に語呂合わせを作っている事を考えると、昭和31年の時点で既に極道親父の順列がかなり有名であったのではないかと推察される。

それであれば、では極道親父の順列は誰が作ったのか?という疑問が生じることになる。
 

ここで、クイズ:次のような手品のセットを組んでください。

13枚のパケットを持ち、上から、O-N-E と1枚ずつ3枚のカードをトップからボトムに送ります。次のカードを表にすると、Aが出ます。
そのAをテーブルに置き、残り12枚のパケットで、次はT-W-Oとスペルし、次のカードが2です。以下、THREE、FOUR、FIVE、SIX、SEVEN、EIGHT、NINE、TEN、JACK、QUEEN、KING と順に出て来る。そんな手品のセットを組んでください。

少なくとも頭の中ででも、こっやったら組めると言う方法を考えて欲しい。出来る事なら13枚のカードを抜きだし並べてみて欲しい。

並べました?本当に?

それでは次回に続く・・・・・・


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サイと極道の組み方−1

サイと極道の組み方−2

サイと極道の組み方−参考文献


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