LILLIPUTの独り言
「千一夜一夜」更新日2001年2月13日
サイと極道の組み方−2
こんにちはこんばんわLILLIPUTです。
13枚のパケットを持ち、上から、O-N-E と1枚ずつ3枚のカードをトップからボトムに送ります。次のカードを表にすると、Aが出ます。
そのAをテーブルに置き、残り12枚のパケットで、次はT-W-Oとスペルしながらボトムに送り、次のカードが2です。以下、THREE、FOUR、FIVE、SIX、SEVEN、EIGHT、NINE、TEN、JACK、QUEEN、KING と順に出て来る。そんな手品のセットを組んでください。
どうすればセット出来るか?と言うと・・・・・・
まず、13のスペースを作ります。
とり合えず・・アンダーラインを13引く。
_ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ |
左からA-C-Eと数え、次の所にAと書く、
_ | _ | _ | A | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ | _ |
続いてその右から数え、T−W−Oと 数えて次の所に2と書く。
_ | _ | _ | A | _ | _ | _ | 2 | _ | _ | _ | _ | _ |
続いてその右から数え、T−H−R−E−Eと数えて行くと右端になるので、左端に戻って3と書く。
3 | _ | _ | A | _ | _ | _ | 2 | _ | _ | _ | _ | _ |
続いてその右から数え、F−O−U−Rと数えるが、既に埋まっているところは数えない。
3 | _ | _ | A | _ | _ | 4 | 2 | _ | _ | _ | _ | _ |
以下F−I−V−E。
3 | _ | _ | A | _ | _ | 4 | 2 | _ | _ | _ | _ | 5 |
S−I−X。
3 | _ | _ | A | _ | 6 | 4 | 2 | _ | _ | _ | _ | 5 |
S−E−V−E−N。
3 | _ | 7 | A | _ | 6 | 4 | 2 | _ | _ | _ | _ | 5 |
E−I−G−H−T。
3 | 8 | 7 | A | _ | 6 | 4 | 2 | _ | _ | _ | _ | 5 |
N−I−N−E。
3 | 8 | 7 | A | _ | 6 | 4 | 2 | _ | _ | _ | 9 | 5 |
T−E−N。
3 | 8 | 7 | A | _ | 6 | 4 | 2 | _ | _ | 10 | 9 | 5 |
J−A−C−K。
3 | 8 | 7 | A | _ | 6 | 4 | 2 | J | _ | 10 | 9 | 5 |
Q−U−E−E−N。
3 | 8 | 7 | A | Q | 6 | 4 | 2 | J | _ | 10 | 9 | 5 |
K−I−N−G。
3 | 8 | 7 | A | Q | 6 | 4 | 2 | J | K | 10 | 9 | 5 |
と言う事で出来上がる。
もうお分かりであろうが、これがそのまま極道親父の順列である。
上記のアンダーラインを引いてという方法はEncyclopedia of Card Tricks (*5)のp41-42に
System for Arranging cards for Any Spelling
Combination.として解説されている。即ち並べ方を見つける方法であり、これを使えば、日本語風にイチ、ニ、サン、と数える場合のセット法も簡単に分かる訳である。そこを、あえて語呂合わせで解決しようと言うのはいかにも日本人らしい。
ちと似た方法がExpert Card Technique (*6) p349にCards on Paradeというタイトルで解説されている。これは丁度極道親父から親父(K)を抜いた状態の3、8、7、A、Q、6、4、2、J、10、9、5の順番にデックのトップに12枚をセットしておく。客にトップ12枚以外のカードを抜いてもらいそのカードを10枚目に戻してもらう。充分にフォールスシャフルした後ち、トップから13枚をカウントダウンして13枚のパケットを持つ。後は順にスペルアウトするが、最後に残ったのが客のカードと言う事である。
これらのトリックをスペリング・ビーと総称する事が多いが一番有名なのは、Scane on Card Tricks (*7) のp118-120、あるいは世界のトランプ手品(*8) p192-194に掲載されたJohn McArdle氏の"Spelling Bee”(世界のトランプ手品では『スペルで出現』)と言う作品。 QJ10A6932K8754、1−2まではいいが3からは奇数回目には客に渡したり、技とスペルを間違えると上手く行かず、もう一回やると正しく出てくると言うもの。これから先のバリエーションは山程あるが、いずれにしても小生の趣味ではない。石田天海師もスペルでなく、その回数だけ下にく送るという方式でバリエーションを発表しておられる。(*9)
いずれにしても結論。
極道親父の順列はスペリングのトリックからきたものであるが、その語呂合わせは安部元章氏が作ったものではないか?
と推察した次第。
2001/3/12:追記 THE NEW MAGIC Vol.6 No.8に松田道弘先生の『セットアップデックの心理学』と言う文章を発見。極道親父のセットを紹介し括弧書きで、もともとSpelling Trickためのセットアップであるとの記述あり。
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